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吉野への旅 一日目 ~金峯山寺蔵王堂~

吉野へ行ってきた.

今年,たくさんの吉野関連のセミナーを受講したのはこの布石である.


1日目

関東から吉野へ向かうとどう早起きしても吉野に到着するのはお昼ごろである.

お昼に葛うどんを頂いてから向かったのは金峯山寺蔵王堂である.

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この日の蔵王堂は特別仕様である.

まず,「秘仏本尊・金剛蔵王大権現が特別に開帳」されている.

さらに「役行者霊蹟札所 吉野山出開帳」が行われている.

もう一つあるのだが,そちらは後で触れる.


さて,私は御朱印を集めている.

そのため御朱印帳も購入することとなるのだが,吉野の御朱印帳は変わっている.

表紙のみならず,中のページも「木」で出来ているのだ.

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表紙には「世界文化遺産 紀伊山地の霊場と参詣道」,裏には「紀伊山地三霊場会」とある.

ということは,熊野や高野山でも販売しているのかと思い,尋ねてみると吉野だけではないだろうかとのことである.


こちらを購入して,向かったのは「役行者霊蹟札所吉野山出開帳」である.

これは「役行者霊蹟札所会」参加の三十六寺社が一斉に出開帳を行うというものである.

この日は金曜日の平日であったためか,あまり待つこともなく全ての御朱印をいただくことができた.

三十六寺社の方々の中には「木の御朱印」に驚かれている方もあった.

おそらく奈良県外からいらっしゃった寺社の方であろう.

「木の御朱印」は墨を吸込みにくいため,なかなか乾きにくい.

ドライヤーが用意されおり,皆様丁寧に乾かして頂いた.

本当にありがとうございました.

出開帳にやってきていた御神体または仏様方としては,やはり「役行者と前鬼後鬼」が多く見られたのだが,それぞれ個性がありながらもちゃんと「役行者と前鬼後鬼」と分かるのが面白い.

全てに手を合わさせて頂いた.


三十六寺社の後にお出ましなのが秘仏「金剛蔵王大権現」様である.

ここまで美しく色の残った仏様を見たのは初めてである.

その美しい権現様が三体も並んでいらっしゃるのである.

ものすごいど迫力でありながら,ちっとも恐ろしくないのは不思議であった.

慈悲を表すという青黒の肌のおかげであろうか.

順番を待てば権現様のすぐ近くで,障子のようなもので区切られた小スペースから権現様を拝むこともできる.

権現様を充分拝ませて頂いてから,昼の蔵王堂を後にした.


蔵王堂は昼で最後ではない.

吉野山の施設の宿泊者限定の夜間拝感「声明と闇に浮かぶ秘仏蔵王権現」に参加させて頂いた.

入堂後はロウソクの灯りのみで,声明の響く中,法要が営まれる.

御坊様方は袈裟装束ではなく,山伏装束でいらっしゃった.

声明はテレビでは見たことがあるものの,生で聴くのは初めてで心地よい響きであった(決して眠くなったというわけではない).

やはり鍛え抜かれた「山伏」であるからこそのあの声であろう.

今まで参加したことのある法要とは異なる点としては,「法螺貝」の音が聞こえてくる部分である.

太鼓も和太鼓サイズであり,音がよく響く.

そして蔵王権現様である.

やはり,夜のロウソクのみの灯りの下が一番,権現様を感じられるようだ.

恐ろしい御姿ではあるが,ひたすら静かで,全く怒っているように感じられない.

ただただ見守っていらっしゃるように感じられるのだ.

なかなかない機会に参加させていただいてありがとうございます.


ところでこの日は「世界糖尿病デー」ということで,糖尿病撲滅キャンペーンの一環で蔵王堂がブルーにライトアップされていた.

美しいので写真を撮ってみたが,やはり生でみるのとは大違いである.

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この日は風が冷たく体感気温がかなり低く感じられた.

吉野山ということで,厚着はしていったつもりだが,意識が停止するような瞬間もあった.

残念だったのはその一点くらいで,金峯山寺のみしか参拝できなかったが充実した一日であった.


二日目以降は次に続く.


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by Allegro-nontroppo | 2014-11-24 19:17 | 旅行記

役行者と蔵王信仰

連続講演 「伝えたい 世界遺産『吉野』の魅力」第3回「役行者と蔵王信仰」に参加した.

講師は五條 良知 師(金峯山寺執行長・東南院住職)であった.

五條氏はお坊さんであり,山伏であり,修験者であるそうで,大峰奥駈道を毎年1回修行している.


最初に開経偈を唱えられた.


伝統仏教は出家の約束をするが,修験道は在家の約束をしている.

明治時代,「肉食妻帯勝手なるべし」の御触れで仏教が変わった.


蔵王堂 日本一の桜の名所 1592年檜皮葺,東大寺に次ぐ二番目の木造古建築で古さでいうと法隆寺に次ぐ二番目.

道が世界遺産になったのも二番目でキリストの巡礼道が一番.

檜皮葺の建物は世界で一番大きいということをいう学者もいる.

吉野の桜は蔵王権現に供えしたもの.


修験道:日本の昔からの宗教.仏教が日本に入ってくる前から.

山:祖霊の住む山.先祖,神など聖なるものが住むところで普通の人は入れなかった.

聖なる気を崇めたり,恐れたりしていた.

家族の平和はお天道様に,亡くなった先祖が山に行ったということで手を合わせてきた.

嵐が来れば,山の神様に助けてほしいと願う.

春になれば山の神様を呼んで田んぼを耕す,夏は夏祭り,秋は収穫を喜んで祭をして,山の神様に帰っていただく.

このような信仰はキリスト以前のヨーロッパや世界でもそうだったのであろうし,ネイティブアメリカン,アボリジニもそうであるように人間がもっているもともとのものである.

大自然に合わせていた.


修験と言う形にしたのが役行者.

続日本紀,文武天皇三年54日の条に出てくる本当にいた人で史実である.

役行者と伴に修業した前鬼(夫)と後鬼(妻)の五人の子供は前鬼と言う村に住んでいたと言われその子孫の一人五鬼助さんが今でも修行の面倒をみている.

講師の自坊に富岡鉄斎の掛け軸有.


空海や最澄は唐に渡って書物を持ち帰り,さらに自分で研究したりして,書いたものを後の者のために残した.

例えば,経典,修行の仕方,戒め,勉強の仕方などを書いて残している。

それを勉強して後の人が最澄や空海のようになっていこうと努力する.

役行者の生涯―書いたものを残していない.

役行者の生き様をもって修験者は修行している.

舒明天皇六年637年正月,役行者はお母さんの夢の中に独鈷鍾と言われる密教の道具が現れて,生まれた.

大和国葛城郡,昔は金剛山と葛城山を分けずに葛城山と言っており,この辺一帯は役君の所領であった.

お父さんは出雲の人で役行者が生まれたあと帰ってしまった?

毎年77日には役行者が産湯をつかったという池の蓮の花を取ってきて蔵王権現に供える行事がある.

生まれて英邁の誉高く,17歳のときに葛城山に入り,華厳経の蜂起菩薩を勧請する.

19歳にはは大峰奥崖道に入って,修行の道を始めた.

25歳,箕面で仏々相伝.

そして大峰の金峰山で1000日修行.

これは末法の世の人々の過去現在未来を救うため修行である.

釈迦,千手千眼観音菩薩,弥勒菩薩が現れるが強情な人には合わない(やさしすぎる).

最後,山上ヶ岳の岩を打ち破って中から蔵王権現が出現した.

蔵王権現を山桜の木(御神木になった)で二体彫刻した.

出現して降り立ったところ(山上ヶ岳)に彫刻を置いて祠を建て,また吉野山にも置いた.

金峯山寺がはじまり修験道が形づいた.

山桜を蔵王権現にお供えするようになった→祈りの桜


蔵王権現とは?

元々の御姿はお釈迦様,観音様,弥勒様で仮の姿であるが,日本で祈りでてきた日本の仏様である.

役行者が感得した.

怒った表情(悪魔調伏の相)は親が子供を叱ってでも真っ直ぐな道を進ませてやりたいという気持ちである.

右手は天の悪魔を粉砕し,左手は人々の心の中の悪魔を断ち切る.

左足は地下の悪魔を抑えており(地震),右足は天と地の間の人々を襲う悪魔を退治する.

背後の火炎は仏様の知恵で,肌が青いのは青黒→仏様の慈悲を表す.

三体の中で真ん中お釈迦様,右千手千言観音,左弥勒菩薩の蔵王権現で過去現在未来を救う.

お釈迦様の本当の教えを包み隠さないことが蔵王権現の本当のお気持ち.

金剛胎蔵大如来は密教では金剛界,胎蔵界を総べる大日如来であり,顕教だとお釈迦様.

近畿の最高峰,八経ヶ峰に法華経(八巻)の埋納し,ここからの光で大勢の人を救ってあげたい.

権現…仮にあらわれるという意味.


本地垂迹

富士山も権現信仰:浅間大菩薩,熊野も権現信仰.

役行者は日本中の霊山を開山し,蔵王権現が日本中に広まった.

蔵王は昔は刈田嶺という山であり,今も刈田嶺神社がある.

勧請して蔵王と言う山に変わった.

京都の嵐山に保津峡があるが吉野山の嵐山の下にほおずきお??と言う山がある

これは吉野から,後嵯峨天皇と亀山上皇が持っていった名前であり,嵐山の中腹には蔵王権現が今も鎮座している.

上野の山の桜は上野寛永寺の天海僧正は金峯山寺の管領であった際に吉野から桜を持ってきたものだが,本人は来ていない.


役行者の教えは実修実験→修験であり,自分で修業して結果を自分で得なさいということ.

どんなことでも,自分が苦しくても心さえしっかりしていれば結果はやってくるという思いをもってする.

入峯修行…自然の中,山を歩かせていただき,そこには聖なるものがいらっしゃる.

擬死再生の行と言われているが,講師はすべて無くして入っていくが,出てくるときには生かされている自分に気づかせてもらうと考えている.

ありがたく思える,神仏に守られていると感じることが修験の神髄である.

在家の修行(男性 優婆塞 女性 優婆夷):在家主義.

役行者は菩薩の修行をした(法華経を一番大事になさった).

光格天皇から神変大菩薩という神号を役行者が頂いた.

悟る努力をすることが人々を救うことになるというような修行.

これらすべての修行をすることで蔵王権現を感得した

蔵王権現は全てにつながり(八百万の神々)また,役行者を拝めば蔵王権現がその後ろにいる.


蔵王権現は恕の心…見返りを求めず一切のことを許す

それに帰依するのが蔵王権現を拝むのに大切なこと.

講師の入峰修行のイメージは講師の前を役行者が歩き,首根っこを不動明王がつかみ,蔵王権現に見守られている

仁王門…修理される.

一番大きいのは東大寺の大仏殿の南大門で金峯山寺の仁王門は断トツの2位.

秘仏本尊の御開帳もある.


以上が今回の内容であった.

聞いている分には違和感なかったが,書き出してみるとまとまっていないのは,私の力量不足である.

次回の「伝えたい 世界遺産『吉野』の魅力」も楽しみである.


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by Allegro-nontroppo | 2014-09-07 19:13 | 講演会,シンポジウムなど