美の祝典Ⅰ やまと絵の四季@出光美術館

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ゴールデンウィーク中には出光美術館開館50年記念 美の祝典Ⅰ やまと絵の四季を鑑賞に訪れた.

国宝の「伴大納言絵巻」が10年ぶりに公開されること,やまと絵がたくさん見られるということで,時間を都合して見に行ったわけである.

ずいぶん時間が経ってしまったがお付き合い願いたい.


日月四季花鳥図屏風

日月と聞くとまず,どこに配置されているのかが気になってしまうところ.

右隻に日と春の植物と雉,左隻には秋の植物と鹿が配されている.

大胆に散らされた金箔が華やかである.


吉野龍田図屏風

右隻には桜,左隻には紅葉がいっぱいに描かれており,会場を見渡した時にまず一番目を引く展示であった.


四季花木図屏風

右隻から春夏,左隻では秋冬と季節が流れていくように描かれている.

この図屏風で面白いと思ったのは狩野探幽による紙中極が書かれており,そこには土佐光信とあるところである.

実際のところははっきりとしていないようだ.


橋直幹申文絵巻

橋直幹は実在の人物で,彼の逸話をもとに作成された絵巻だという.

村上天皇の御世に民部大輔の職を得るために作文した申文を朝廷に奉ったが,一部天皇の機嫌を損ねたためにかなわなかった.

その後,内裏が炎上した時にこの申文の持ち出しを天皇が尋ねたことにより,天皇もこの申文の優れた点を認めていたというお話だという.

この炎上の際,温明殿の神鏡を取り出せず,心配していたところ何故か木に引っかかっており,神に祈ったところ藤原実頼の袖に入ったという逸話も差し込まれている.

面白い絵巻であった.


佐竹本三十六歌仙絵「柿本人麿」,「僧正遍照」

三十六歌仙絵でもっとも有名な佐竹本のうち,柿本人麿と僧正遍照をみることができて感激である.

いつか,三十六歌仙一挙に集めた展覧会を催してほしいと思うが,なかなか難しいのだろうな.


扇面法華経断簡

四天王寺に伝わったとされる断簡で,鳥羽院皇后・藤原泰子の参詣のさいに奉納されたのではないかと考えられているようである.

扇面に描かれた童子と女性,そして法華経が平安時代の雅を表しているようで印象に残った.


月に秋草図屏風

会場内で遠くから見かけたとき,琳派作品ではないかと思ったのだが,伝俵谷宗達であり,「伊年」印もあることから,なかなか私の勘も馬鹿にできないものである.

月の色遣いがまさに琳派そのものである.

画面のところどころに秋草が描かれているというような作品で地味かもしれないが,秋の月夜の草原をリアルの想像してしまうようで素晴らしいと思う.


四季草花図屏風

上記と同様こちらも「伊年」印のある屏風であるが,画面いっぱいに上段下段と整列したように草花が配されており,非常に華やかである.

少し,洋画のようにも思える作品であった.


伴大納言絵巻 上巻

伴大納言絵巻は四大絵巻の一つとされ(ちなみに残りの三つは「鳥獣戯画」,「源氏物語絵巻」,「信貴山縁起」),現存する絵巻の中では第一の優品とされているとのことである.

そもそもは一つの絵巻物であったらしい.

この絵巻の主題はまさに「応天門の変」である.

この絵巻の中では応天門の放火犯は伴善男と中庸親子によるものとされている.

上巻では応天門が炎上し,逃げ惑う人々と,源信を放火犯として罰しようとする天皇を諫める藤原良房が描かれる.

上巻には応天門(内裏?)を遠くから眺める男性について分かっていないこと(そもそもこの男性は誰か? 裾の色が途中で変わっており,ここで継ぎ接ぎされているのではないか?)があるという.

私は応天門の変は伴善男と中庸親子によるものではないと思っているけれども,この絵巻の作成者の認識はどうだったのだろうかと思ってしまう.

作成時期が平安時代というのも興味深い.


以上.

他にも「雪月花図」など,以前に鑑賞したことのある大好きな絵もあったが,ここは省略した.

思いがけず既に鑑賞したことのあるものに出会うといろいろな絵などを鑑賞してきたなと感慨にふけってしまう.

この「美の祝典」はまだまだ続いている.

今は「美の祝典Ⅱ 水墨画の壮美」と題してやっているそうだが,時間の都合がつけられそうにない.

なんとか,「美の祝典Ⅲ 江戸絵画の華やぎ」は鑑賞したいところである.


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by Allegro-nontroppo | 2016-05-22 23:40 | 博物館
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