日本の科学者技術者展シリーズ第11回~「渋川春海と江戸時代の天文学者たち」@国立科学博物館

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日本の科学者技術者展シリーズ第11回~「渋川春海と江戸時代の天文学者たち」を見に国立科学博物館へ出かけた.

2016年初めて訪れる博物館である.

最後に科博を訪れたのは何年前だろうか,久しぶりである.


冲方丁著の天地明察は発売された年には購入し,読んだのだったと思う.

帯には時代小説と書かれていたように思うが,江戸時代を舞台としているとは言え,時代小説に括られる作品ではないように思われたが,読後感がよく,登場人物たちも魅力的な素晴らしい作品だと感じた.

最近は読んでいないので細かい部分は相当忘れてしまってはいるが….

また,昨年は青柳種信に興味深めたが,分野が異なるとはいえ,同じ江戸時代の学者である渋川春海との共通点などあるのではないかと考えて,出かけることにした.

以下概要である.


紙張子天球儀 渋川春海作

紙張子地球儀 渋川春海作

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渋川春海が自分の観測で得られた結果から作成した天球儀と地球儀ということになるのだろう.

完成したときにはどのような気持ちだったか想像したくなる.

天球儀は細かく星が記入されており,正確さは私には判別しようもないが緻密であろうとは思う.


蘇州天文図 拓本

天象列次之図 渋川春海作

天文分野之図 渋川春海作

天文成象 渋川昔伊作

蘇州天文図についてはキトラ古墳の天文図との比較などで映像をみたことがあるがかなり細かい.

自然科学の中で最も早く進歩を遂げたのは天文の分野だったのかもしれない.

蘇州天文図と比較できるように渋川春海が作成した天文図が並べられており,段々と改良されているのがよくわかる.


貞享暦 渋川春海著(写本)
渋川春海がついに完成させた日本で初めて作成された暦である.

やはり,天地明察を読んだものとしては感慨深い気持ちになる.

それはそれとして,日本における吉凶から政治に至るまで幅広い分野を支配していた暦がこの時代にきて初めて作成されたというのは暦作りが難しさもあるだろうが,暦が神聖視されていたのかもしれない.


森仁佐衛門作 望遠鏡

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とにかく大きい.

作れる限り大きいサイズで作成したのだろう.

どのくらい遠くまで観測することができるのだろうか.


渾天儀 藤広則作

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渾天儀の名は本などでよく見かけるのだが,実際どのようなものかよく想像できなかった.

実際に見ても使用方法はよく分からなかったが….

サイズが非常に大きいのは正確に測定できるようにだろうか.


垂揺球儀

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天体観測用の振子時計らしい.

想像以上にいろいろな機械が使われて,観測が進められていたようである.


岩崎家制作の望遠鏡
平天儀図解

この当時には望遠鏡の作成の得意な家もあった(岩崎家)ということである.
平天儀図解も岩崎家の著作である.

当時の発注数はどの程度だったのだろうか.


彗星略考 高橋景保著

彗星測記 間重新著

彗星測量簿

彗星の観測も細かく行われていたようである.

それぞれに細かく測定記録がつけられているようで当時の学術レベルが窺われる.


以上が,概要である.

この展覧会で取り上げられていた高橋至時には伊能忠敬が入門したということもあり,伊能忠敬と交流をもった青柳種信とのつながりも知れた.

分からないことばかりで感心するばかりであったが,楽しめた.


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by Allegro-nontroppo | 2016-01-24 19:54 | 博物館
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