場所はサントリー美術館である. 印象的だった展示物について感想を記しておく.
弘法大師といえば能筆家として有名なので,内容は分からないなりにどのような文字であろうかと眺めてみたのである. うまいへたについては私には判断がつかないが,あのレベルで字が書ける人は少ないだろうという予測はつく. 字を書くとすぐ間違ってしまう私としては,この書の誤字のなさに反省させられる思いである.
手のひらほどのサイズに何体もの仏様が彫られているのだがその緻密さに驚かされた.
燕子花が美しい螺鈿細工である. 昔の人たちにとって燕子花は今以上に人気のあった花なのだろう.
重要文化財 孔雀明王坐像 快慶作 四天王立像は東大寺の四天王立像のプレorモデルだったそうだ. どちらの像も重々しく,しかしどこか静かな御姿である. 仏像に写実的と言っていいのか分からないのだが,写実的で実際にそこにいるように感じられた. これは快慶の力はもちろん,金剛峯寺の方が大切に保存されてきた歴史のおかげでもあるのだろう.
八体のうち六体は運慶の作であるが,二体は後で作られたものということだ. 八大童子なのでやはり異形の姿であるのだが,運慶作の六体はどこか人間味のある御姿である. こちらの仏像は重々しさはあまり感じられず,しかし何かを感じさせられるという不思議な仏像である. 童子姿であるからであろうか. こちらの八大童子は写真か何かで見た覚えがあるので有名な作であろう.
仏像や曼荼羅など巨大な展示物が多かったため出品数としてはそう多くはなかったが,ほとんどが国宝や重要文化財であったとは驚異である. 正直なところ,全くの知識のない私が十分に楽しめた. また,空海の生涯や高野山の歴史も学ぶことができた. それにしても,高野山にはいつか行ってみたいものである.
by Allegro-nontroppo
| 2014-10-26 19:47
| 博物館
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