徒然草 美術で楽しむ古典文学@サントリー美術館

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サントリー美術館まで「徒然草-美術で楽しむ古典文学」を鑑賞しに行ってきた(HPはこちら→).

見に行ったときには下記のような表示もされていた.

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721日までというので,終わりかけである.


この展覧会を見に行こうと思ったのは副題にもあるように,古典文学を美術で楽しむといった機会は「源氏物語」を除いて経験がないと思ったからである.

伊勢物語などは今後も機会がありそうだが(そういえば燕子花図屏風は伊勢物語系列であるかもしれない),随筆集である「徒然草」にその機会があるのかは非常にあやしい.

そのような訳で出かけてみることにした.


展示内容としては「徒然草」の写本の各系統の古いものが展示してあったり,兼好法師の絵や像などが展示されていた.

それによれば,兼好の経歴については歴史資料が乏しく,詳しいことは分からないとのことであるが,生前は二条為世に師事する歌人として世に知られていたようである.

また,太平記の中に,兼好をモデルにしたと思われる人物が出てきているとのことで非常に興味深い.


今回の展覧会のメインはやはり「徒然草絵巻」海北友雪画である.

サントリー美術館にこの絵巻が新たに収蔵されたことで,この展覧会を実施する運びとなったらしい.

「徒然草絵巻」は、「徒然草」のほぼ全段を絵画化している点でたいへん貴重な作品とのこと.


私は「徒然草」は中学または高校時代に古文で習った程度でほぼ読んだことがないといっても過言ではない.

覚えているのは「序段」と「仁和寺の和尚が石清水八幡宮にお参りにいった話」位である.

今回,この「徒然草絵巻」はかなりの部分が展示されていたようだが,絵巻と一緒に該当の現代訳もあったのでまるで絵本を読んでいるような気になった.

見ていると二,三行の短い段もある.

「仁和寺の和尚の段」など変な話を教科書にのせるものだと当時は思っていたが,ある程度の長さのある無難な話を選ぶとなると限られていたのかもしれない.
しかし,「徒然草」最後の段が兼好が8歳のときのエピソードということくらい教えてくれてもよかったのにと思う.
なかなか,面白い話だと言うのにこの歳になるまで知らなかった.

そういえば,「理想の家の段」と「みかんの木の段」も教科書に載っていたのを思い出した.

記憶は戻るものである.

それにしても「徒然草」は随筆集なのだから,授業などで堅苦しく読むものではなかったと思う.

今更ながら,こうして眺めてみると「くすっ」と笑えたり,「あるある」と相槌を打ちたくなるようなものもある.

昔の人と考えることはそう変わらないようだ.


最後に海北友雪についてである.

海北友雪の作品を見たのは初めてだと思うが,その父である海北友松の作品は今年見ている.

海北友松は建仁寺の障壁画を数多く描いたことで知られている.

今年は模造品が飾られていたとはいえ,建仁寺に出かけているし(本ブログ記事はこちら→),その本物は東京国立博物館の栄西と建仁寺展(本ブログ記事はこちら→)で本物をみているので非常に縁を感じる.

友雪はやまと絵を得意にしていたということで友松と画風が異なっているようであったが,どちらも素晴らしい.

全体を通して満足のいく展覧会であった.


追記

遅い昼ご飯にミュージアムカフェのランチを頂いた.

「麩そうめんランチ」は弾力のあるそうめんで,おにぎりと一緒においしく頂いた.

帰りにショップで「徒然草絵巻」の絵葉書セットを購入した.


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by Allegro-nontroppo | 2014-07-15 19:05 | 博物館
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