飛鳥学講演会② 「明日香村最新発掘調査報告 -最前線-」

さて飛鳥学講演会の②発掘報告 「明日香村最新発掘調査報告 -最前線-」 長谷川透氏(明日香村教育委員会文化財課)である.

①基調講演の川嶋氏に続き,長谷川氏もお顔を存じている.

昨年,明日香村を訪れた際,たまたま「飛鳥寺西方遺跡」の現地説明会に参加する機会を得た.

その時,説明しておられたのが長谷川氏である(本ブログ記事はこちら→).

今回の講演内容もやはり長谷川氏の手がけておられる「飛鳥寺西方遺跡」の比重が大きかった.


講演内容

ここ2,3年の発掘成果は以下の通りである.

ⅰ)飛鳥京跡苑池(橿考研)…飛鳥時代の宮殿に付属する庭園跡.白綿後苑か?

ⅱ)甘橿丘東麓遺跡(奈文研)…蘇我蝦夷・入鹿の邸宅跡か?炭の焼けた跡有→天皇紀・国紀を焼いた場所?

ⅲ)檜隈寺跡周辺(奈文研・橿考研・明日香村)…渡来系氏族・東漢氏の氏寺とその周辺.坂上氏(田村麻呂)のふるさと

ⅳ)飛鳥寺西方遺跡(明日香村)…槻の樹の広場か?

・日本書紀から飛鳥寺西に槻樹の広場が想定される.

 →壬申の乱のおり,陣が敷かれたり,蝦夷二百十三人を歓待したりしていることから,大人数が集まれる空間であったと思われる.

・そばには石神遺跡(斉明朝の迎賓館跡)や水落遺跡(中大兄皇子による漏刻跡)等ある.

主な遺構:石敷(砂利敷,礫敷),石組溝,石列,掘立柱塀,土管暗渠,大土坑,木樋.

「飛鳥寺西方遺跡」の主な遺構については一つ一つ写真をスライドに出しながら説明しておられた.

現地説明会で質問させて頂いた「焼けた土」についても以前と同様に壬申の乱の戦火によるものではないかと推測されておられた.

また槻の木の痕跡はまだ見つかっていないので「今後,発掘できれば…」というようなコメントもあった.


「飛鳥寺西方遺跡」は今秋も発掘予定とのことで,見学も可能とのことらしいので,チャンスがあれば行ってみたい.
この「飛鳥寺西方遺跡」は飛鳥時代を知る上で重要な遺跡であるようだ.
以前も書いたように,今後の発掘に期待したい.

下記に現地説明会の際に撮影した写真を貼っておく.
f0305926_19322064.jpg
f0305926_19314032.jpg
f0305926_19310226.jpg
f0305926_19302460.jpg

[PR]
by Allegro-nontroppo | 2014-07-10 19:12 | 講演会,シンポジウムなど
<< 飛鳥学講演会③ 「飛鳥と天皇の誕生」 飛鳥学講演会① 「古代の貧民救... >>