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古代史Day 壬申の乱と継体天皇

クラブツーリズムの古代史Dayの2講座に参加してきた.

以下,感想である.


古代史史上未曾有の内乱「壬申の乱」を知る

講師:玉城妙子氏


近江には百済の高官が多数住んでおり,大友皇子の養育係も百済の高官であったことから,大海人皇子が百済の影響を恐れて,壬申の乱を起こすに至ったのではないかという説は,一つ理由として面白いと思った.

大海人皇子一行が吉野を出立する2日前に村国連男依・和珥部臣君手・身毛君広ら3人を先達としたという部分に注目され,米や馬の準備や「伊賀の中山」に集結するよう豪族たちを集めたりという準備をすすめたのがこの3人ではなかったかというのも面白かった.

実際の吉野からの脱出~壬申の乱までのルートについては,今の定説とは少し違ったルートを想定しているとのことであったが,画面表示の地図が小さくよく分からなかった.


大和政権の命脈を保った継体天皇の足跡を追う

講師:来村多加史氏

継体天皇についてはいろいろ議論のあることは知っていたが,実際に詳しく読む機会はなかったので,勉強になった.

継体天皇について読むべき文書は「上宮記逸文継体記」(釈日本紀),古事記,日本書紀である.

上宮記は記紀で省略されている継体天皇の出自が記載されている.

日本書紀は上宮記,古事記と比べて継体天皇についての文章が長いが,史記や漢書からの引用や八人の妃についての説明が長い.

古事記は日本書紀を簡略化したような内容である.

継体天皇陵と手白香皇女の陵は今城塚古墳と西山塚古墳(同形式の埴輪が出土)という説が妥当という話が面白かった.

また,辛亥の変論争も興味深く,やはり継体天皇はいろいろ考えるべきことが多いと思った.

来村多加史氏については著書や記事なども読ませていただいており,実際の講演会にも参加できて本当に嬉しかった.

お話も非常に面白く,分かりやすくためになったのでもし,機会があればまた参加したい.


クラブツーリズムは古代史に関して面白そうなツアーや講演会を開催しているようなので今後も注目したい.


by Allegro-nontroppo | 2016-08-24 21:45 | 講演会,シンポジウムなど
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