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大妖怪展 土偶から妖怪ウォッチまで@江戸東京博物館

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大妖怪展に出かけた.

同日に江戸東京博物館で開催されていた「発掘された日本列島2016」が一番の目的ではあったが,1日お休みをもらえたので,こちらも見ておこうと思ったのだ.

平日であったにも関わらず,結構な人出で,土日や夏休み(行ったのは夏休み前だったのだ)はどうなるのだろうと思った.

以下、感想である.


1章 江戸の妖怪,大行進!

天狗図 葛飾北斎

落ちる紅葉を拾おうとする天狗のスピード感もすごいのだが,バックの蜘蛛の巣のリアルさに驚いた.


妖怪図 高井鴻山

顔や体がどうなっているのか,よくわからなかったが妖怪とはそんなものかもしれない.


妖怪図 高井鴻山

愛らしい表情をした妖怪たちで先の高井鴻山の作品と趣が少し違っているように見える.

家の窓からのぞくネコのような顔もかわいい.


付喪神図 伊藤若冲

雰囲気のある妖怪たちだが,表情は楽しそうである.

某妖怪アニメの主題歌にある「夜は墓場で運動会!」とはこんな感じだろうか.


稲生物怪録絵巻

この絵巻の主題である稲生平太郎の話はどこかの博物館で同主題の作品を見たことがあるように思う.

絵にしやすい主題であったのだろう.


化物婚礼絵巻 岡義訓

化物の婚礼の過程を描いたものだが駕籠や長櫃にも目がある.

そうなるとこの駕籠や長櫃も結婚するのだろうかと化物の世界にも考えさせられる.


針聞書 茨木元行

人間の病のもとになるとされた妖怪たちをまとめたものである.

祟りによって病になるという考えと共通しており,非常に興味深い.


海坊主 歌川芳延

のっぺらぼうの海坊主はどこか影のようで印象深かった.


竜宮玉取姫之図 歌川国芳

大織冠図屏風

どちらも藤原鎌足のために龍玉を取り戻そうとする海女を描いたものである.

藤原鎌足のどのようなイメージからこの物語が生まれたのか気になる.


画図百鬼夜行 鳥山石燕

百鬼夜行図といえば鳥山石燕である.

一度,最初から最後まで通して見てみたい.


2章 中世にうごめく妖怪

土蜘蛛草紙絵巻 小田切直

雑誌やネット上で土蜘蛛退治の絵などは見るが,実際に作品としてみるとまた迫力がある.


3章 妖怪の源流 地獄・もののけ

辟邪絵 神虫

悪鬼を退ける善神とのことであるが,おどろおどろしく迫力がある.

神虫のような異形のものたちが妖怪へと発展していったのもうなずける.


ミミズク土偶

遮光器土偶

遮光器土偶

土偶

今回の一番のお目当て,土偶である.

ミミズク土偶については今回初めて見ることができた.

人の形にかなりの飾りが取り付けられているように思える.

神や巫女などを表しているのだろうか.

遮光器土偶については進化の過程を見ることができてよかった.


4章 妖怪転生 現代の妖怪

妖怪ウォッチ

妖怪ウォッチについてはよく知らないのだが,日常生活の異変を妖怪のせいにするというのは今も昔も共通しているというところは面白いと思った.

民俗学的な部分を期待していたのだが,そういいう部分はなく妖怪絵画の展覧会であったように思う.

それはそれとして,当時の人々の妖怪への認識を垣間見ることができて面白かった.
展示数も非常に多く,感想を書けなかった作品もたくさんあった.
充実した展示会であった.


by Allegro-nontroppo | 2016-08-03 22:57 | 博物館
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