畠山記念館は初めてだったが,茶室などに飾られているように展示できるように設計されており,画家の意図したように鑑賞できるのが素晴らしいと思う. 今回は列品解説に立ち会えたので,それらも含めて印象に残った陳列品について記しておく. 禊図 立林何帠筆 尾形光琳の「禊図」の構図を横長に展開しているとのことである. 「伊勢物語」第65段を絵にあらわしている. 光琳の「禊図」をどこかで鑑賞させて頂いたと記憶しているが,構図の縦横で川の流れの勢いが違うような気がする. 立葵図 尾形乾山筆 尾形兄弟が好んでモチーフとした立葵図である. 写実的というより,どこかデザイン画的である. また,上部に書かれた漢詩から,立葵が牡丹や芍薬に並ぶほど美しいと乾山が考えていたことが分かるのが,面白い. 共筒茶杓 銘 寿 尾形光琳筆 寿の銘と中国では吉祥文とされる蝙蝠と霊芝が描かれている. 光琳は工芸品も手掛けていたとは知っていたが茶道具までも作っていたのは知らなかった. 紅葵花蒔絵硯箱 尾形光琳作 光琳の好んだ立葵と八重葎が全体を覆っている. 立葵の蕾は螺鈿で満開の花は錫で表されているというのが,本阿弥光悦の手掛けた硯箱を思い出させる. 立葵図 鈴木守一筆 鈴木守一は鈴木其一の長男ということである. 尾形乾山と「立葵」という同じモチーフながら写実的で葉が裏返っていたりと,印象が異なっており楽しい. 白梅模様小袖貼付屏風 尾形光琳筆 光琳梅が配された小袖を屏風に貼付られている. 実際に身にまとったときに,帯からも枝が伸びているように描かれているというところが光琳の凄さではないかと思う. 四季花木図屏風 渡辺始興筆 渡辺始興の名はテレビ番組「なんでも鑑定団」などでよく聞いてはいたが,実際にこの目で鑑賞したのは初めてである. 琳派の画家とは知らなかった. 確かにたらしこみなどの技術が見受けられるし,右から左へと季節が移り替わるように植物が配置されているのは琳派ぼいと思う. 本草学の知識があったそうでリアリティがある. 以上,概略である. 今年は昨年ほどは琳派作品が見られないと思っていたので,この鑑賞の機会が嬉しい. 後期展示でも素晴らしい作品が登場するようで,是非見に行きたいがちょっとスケジュールが厳しそうである. 追記 庭園も素晴らしかった. 季節によって様子も変わるのだろうか. 機会があったら見てみたい.
by Allegro-nontroppo
| 2016-04-24 22:25
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