今回も3月中の出来事をまとめておきたい. 特集展示「山岳信仰の考古学―山を仰ぎ、山に登る―」及び特集展示「穂高古墳群 F9号墳 ―考古学実習速報展―」を見に國學院大學博物館へ出かけた. 表参道に用事があったのだが午後も早い時間に済んでしまったので,すこし足を延ばすことにしたのである. また,昨年から海の信仰や山の信仰に興味があること,それから安曇野(穂高地域)の歴史について友人から尋ねられたことから機会があれば鑑賞したいと思っていたのである. 以下,概要. 特集展示「山岳信仰の考古学―山を仰ぎ、山に登る―」 修験道(奈良・金峯山寺)について 古来,水源やランドマークとしての山に対する信仰は,山麓祭祀に止まっていたが,8世紀頃から山頂祭祀が認められるようになり,山林仏徒による奈良県金峯山などの山岳登拝も活発化した. 10世紀になると,峰々を巡る山岳練行が各地の霊山ではじまり,11世紀頃に修験道の独自性が確立したとのこと. 建鉾山遺跡について また,福島県棚倉町に鎮座する馬場都都古和氣神社の旧社地と伝わる禁足地でもあったとのこと. 個人的な感想であるが,簡潔にまとめられているように見えて,重要なことがたくさん含まれている解説文だと思う. 今後,山岳信仰を考えていくうえで参考にしたい. 特集展示「穂高古墳群 F9号墳 ―考古学実習速報展―」 F9号墳について ・6世紀後半築造の横穴式石室をもつ円墳 ・長さ約7m,幅約 1.3~1.5mの石室をもつ ・土師器・須恵器・直刀・水晶製切子玉などが出土している ・今回の調査で馬具や鉄鏃が出土した 安曇族の歴史などが解説されているかと期待していったのであるが,考古学実習の詳細についてがメインであった. 常設展 考古ゾーン 挙手人面土器 人面土器はオホゲツヒメの信仰との関わりについて考えたくなる. 山ノ神遺跡復元模型 感想などは前回訪問時(國學院大學博物館)に書いたので省略する. 神道ゾーン 石清水八幡宮供花神饌 供花神饌は9月15日に行われる石清水祭で供えられる. 石清水祭は江戸時代まで石清水放生会とも呼ばれ旧暦8月15日に行われていたそうである. 石清水八幡宮には参拝したことがないので,一度は行ってみたい場所である. やはり,石清水八幡宮にも仏教の影響が残っているのだと知った. 企画展「中世の古文書をよむ」 久我家文書が多数展示されていた. 先日の鎌倉散策で興味をひいた足利尊氏,義詮,義持や後醍醐天皇や北畠親房などの文書が展示されており,興味深く鑑賞させて頂いた. 綸旨などが書かれた紙は灰色の「宿紙」という使用済みの紙を漉き返して作った再生紙を使用するような決まりがあることも初めて知った. 以上,感想である. 國學院大學博物館は大きな博物館ではないが古代史好きとしてはまた訪れたくなるところである. 今後も展示予定を確認し,機会があれば講演会など参加したい.
by Allegro-nontroppo
| 2016-04-10 21:58
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